本震のあと、地震はいつまで続くのか——2016年熊本地震の記録を数える
2026年7月28日16時27分、熊本県熊本地方でM7.1・最大震度7の地震がありました。それから2週間、揺れが続いています。
「いつまで続くのか」は、いま一番知りたいことだと思います。これに答えられる人はいません。地震の予知は現在の科学ではできず、当サイトも予測は一切行いません(気象業務法により、予報業務には気象庁長官の許可が必要です)。
ただし、過去に同じ場所で起きた地震が、実際にどう減っていったかは数えられます。熊本県熊本地方は2016年にも震度7の地震が起きた場所です。そのときの記録を年ごとに並べました。
2016年熊本地震のあと、回数はこう減った
気象庁の震度データベースから、震央地名が「熊本県熊本地方」の地震を年ごとに数えたものです。震度1以上を観測したものだけが載ります。
| 年 | 回数 |
|---|---|
| 2016年 | 2,902 |
| 2017年 | 197 |
| 2018年 | 78 |
| 2019年 | 70 |
| 2020年 | 37 |
| 2021年 | 41 |
| 2022年 | 24 |
| 2023年 | 28 |
| 2024年 | 34 |
| 2025年 | 29 |
2016年の2,902回から、翌2017年には197回まで落ちています。1年で15分の1です。その後も減り続け、2020年以降は年に30回前後で落ち着いています。
減り方は一定ではありません。最初の1年で大きく落ち、そのあとはゆるやかになります。2021年(41回)のように前の年より増える年もあります。
いまはどのあたりか
2026年7月28日の地震から2026年8月12日までの、熊本県熊本地方の記録です。
| 回数 | |
|---|---|
| 合計 | 330 |
| うち最大震度3以上 | 60 |
| うち最大震度5弱以上 | 3 |
2週間で330回。2016年の1年ぶん(2,902回)と比べると、いまが「最初の急な時期」にあたることが分かります。
震度5弱以上は3回で、いずれも本震当日と翌日に集中しています。
| 日時 | 震央地名 | 規模 | 最大震度 | 深さ |
|---|---|---|---|---|
| 7/28 16:27 | 熊本県熊本地方 | M7.1 | 7 | 16km |
| 7/28 16:29 | 熊本県熊本地方 | M4.8 | 5弱 | 13km |
| 7/28 17:08 | 熊本県天草・芦北地方 | M6.1 | 5弱 | 0km |
| 7/28 19:03 | 熊本県熊本地方 | M4.2 | 5弱 | 8km |
| 7/29 22:19 | 熊本県天草・芦北地方 | M5.8 | 5弱 | 9km |
本震の2分後にM4.8の震度5弱、41分後に隣の震源域(天草・芦北)でM6.1が起きています。
この数字から言えること、言えないこと
言えるのは、過去に同じ場所で起きた地震が実際にどう減ったか、それだけです。
2016年の記録は「今回も同じように減る」ことを意味しません。震源も規模も違い、地震活動が過去の例をなぞる保証はどこにもありません。次に大きな地震が起きるかどうかは分かりません。
一方で、次のことは事実として読み取れます。
- 大きな地震のあと、回数が元に戻るまでには年単位の時間がかかった
- 最初の1か月に集中し、その後はゆるやかに減った
- 減っている途中でも、震度5弱以上が起きた年はあった
「もう終わった」と判断する材料には、この数字はなりません。片付けや家具の固定を後回しにする理由にも使えません。
深さ10km前後の地震が多い理由
熊本地方の地震は布田川断層帯・日奈久断層帯に沿って並び、深さ10km前後の浅いところで起きます。今回の本震も深さ16kmでした。
浅い地震は、同じ規模でも揺れが強く出ます。上の表でM4.2の地震が震度5弱を観測しているのは、深さが8kmと浅かったためです。規模(M)と震度は別のものです。M3台でも震度4になることがあります。
数え方について
- 出典:気象庁「震度データベース検索」を加工して当サイトが集計
- 数えているのは震央地名が「熊本県熊本地方」の地震です。県内で揺れを観測した地震ではありません。天草・芦北地方や阿蘇地方の地震で熊本市が揺れることもありますが、上の表には入っていません
- 震度1以上を観測した地震だけが載ります。体に感じない地震はこの何倍もあります
- 2026年の数字は8月12日時点のものです